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撮影スキル

最初に覚えたいカメラの設定を解説!【F値・SS・ISO感度】

カメラを構える女性
一眼レフカメラを持った人が最初にぶつかるであろう壁、「設定」。
「F値」?「ISO」?「シャッタースピード」?
カメラを持つ前は聞いたことも無かったような用語が現れ、苦手意識を持ってしまう方は少なくないのではないでしょうか。私もそうでした。

そこで今回は、「F値」「ISO」「シャッタースピード」とはなんなのか?ということを、徹底解説します。難しい専門用語は基本的には使用せず、使用した場合は随時説明を入れていくのでご安心ください。

3つの設定を駆使することで、カメラ技術が格段に上がります!
憧れていた「背景ボケ写真」も、「流し撮り」も、実現できるようになります。
是非参考にしてみてください。

カメラの設定①「F値(絞り値)」

F値とは、「絞り値」とも呼ばれ、カメラの画面上では「F4.5」のように表示される値です。
この値が大きければ大きいほどピントの合う範囲が広くなり、小さければ小さいほどピントの合う範囲が狭くなります。
一眼レフらしい背景のボケた写真を撮りたいときは、この「F値」を調整します。

また、F値(絞り値)は光の通り道の広さのことも指します。
F値を調整することで、光を取り込む量が変わり、写真の明るさも変わります。
詳しくは以下の図をご覧ください。
F値のシャッタースピード
このように、シャッタースピードが大きければ大きいほど明るくなり、小さければ小さいほど暗くなります。

F値でできること

一眼レフの醍醐味といえば「背景」をぼかした写真。
一眼レフユーザーが憧れる、ぼかしを効かせた写真は「F値」を小さくすれば撮影できます。

F値を小さくすれば、ピントの合う範囲が狭くなりボケが大きくなります。
このピントの合う範囲のことをカメラ専門用語で「被写界深度(ひしゃかいしんど)」と言います。
反対にF値を大きくすることにより、被写界深度が大きく(深く)なり、ボケがなくなることにより、くっきりとした仕上がりになります。

大きいF値が活躍するのは風景写真をくっきり撮りたい時など、一眼レフらしい背景のボケた写真を撮りたいときは、この「F値」を調整しましょう。

F値の注意点①「回折現象」で画質が悪くなる

F値を上げすぎると(絞り過ぎてしまうと)光の「回折現象(かいせつげんしょう)」により、画質が悪くなります。
「回折現象(かいせつげんしょう)」とは、レンズの絞り過ぎにより、光が適切にカメラのセンサーに届かないことによって起こる現象です。

F値を大きくすればするほど広い範囲にピントが合うようになりますが、回折の影響を受けやすくなってしまいます。
回折の影響が大きくなると、画像が不鮮明になってしまいます。
目安としては、概ねF16以上が限度と言われています。(レンズによって異なります)

F値まとめ

■基本事項
・「F値」とは「ピントの合う範囲=被写界深度」を調整できる値のこと
・「F値」が大きいほど写真が明るくなり、小さいほど暗くなる

■F値でできること
・「F値」を小さくすれば背景のボケた写真が撮れる(=ポートレートなどで活躍)
・「F値」を大きくすれば細部までくっきりした写真が撮れる(=風景写真などで活躍)

■F値における注意点
・「F値」を上げすぎると「回折現象」により画質が低下する
・「F値」を上げすぎると写真が暗くなりすぎる

カメラの設定②「シャッタースピード(SS)」

シャッタースピードとは、「SS」とも呼ばれ、カメラの画面上では「1/100」のように表示される値です。

この数値は、シャッターが開いている時間(光を取り込む時間)のことを指しており、
「1/100」なら100分の1秒
「10″」なら10秒の間シャッターが開き続けている(光を取り込み続けている)
ということです。

この値が大きければ大きいほどシャッタースピードが遅くなり、小さければ小さいほどシャッタースピードが早くなります。

躍動感のある背景が流れた「流し撮り」や、大量の光を取り込む「星空撮影」「夜景撮影」は、この「シャッタースピード」を調整することで撮影できます。

また、シャッタースピードを調整することで、写真の明るさも変わります。
詳しくは以下の図をご覧ください。
シャッタースピードの解説画像
このように、シャッタースピードが大きければ大きいほど明るくなり、小さければ小さいほど暗くなります。

シャッタースピードでできること

星空の写真
一眼レフカメラを持ったら、憧れる写真があります。
それは、「夜景」と「星空」。
スマホカメラの発達で鮮明な夜景を撮れるようにはなりましたが、一眼レフのそれにはまだ及ばないのが現状です。
カメラを三脚に立て、シャッタースピードを遅くすることにより、多くの光を取り込むことができるようになります。そのため、ノイズの少ない鮮明な夜景を撮ることができます。

シャッタースピードの注意点

シャッタースピードは遅くしすぎたら手ブレを起こしやすくなるので注意が必要です。
手持ちで持てる限界はレンズの持つ焦点距離分とされています。

ちなみに、焦点距離の調べ方は以下の通り。
レンズの型番が「Canon EF 50mm F1.8 STM」(例)だとすると、「50mm」が焦点距離。
この場合だと、「1/50」より遅くするとぶれる可能性が高くなります。

なので、夜景・星空撮影の場合は三脚を使用しましょう。
三脚が手元にない場合は、どこかカメラを固定させることができる場所にカメラを配置しましょう。

シャッタースピードまとめ

■基本事項
・「シャッタースピード」とは「シャッターが開いている時間(光を取り込む時間」を調整できる値のこと
・「シャッタースピード」が大きい(遅い)ほど写真が明るくなり、小さい(早い)ほど暗くなる

■シャッタースピードでできること
・「シャッタースピード」を小さくすれば暗い場所でも撮れる(=夜景・星空などで活躍)

■F値における注意点
・「シャッタースピード」を下げすぎると手ブレが発生しやすくなる
・手ブレを起こすシャッタースピードの目安は、レンズの焦点距離を参照する

カメラの設定③「ISO感度」

「ISO感度」は、「いそかんど」と読み、カメラ上では「ISO100」のように表示される数値のことを言います。
この値が大きければ大きいほど写真が明るくなり、小さければ小さいほど暗くなります。
単純に写真の明るさを変えたいときは、この「ISO感度」を調整します。

詳しくは以下の図をご覧ください。
ISO感度の解説画像
このように、ISO感度が小さければ小さいほど暗くなり、大きければ大きいほど明るくなります。

ISO感度でできること

「ISO感度」は、最も簡単に写真の明るさを調整できる方法です。
小さければ暗く、大きければ明るいので非常に簡単な仕組みですよね。

ですが基本的には「ISO感度」は最低の数値(ほとんどの場合、ISO100)に設定しておくのを基本にしましょう。
「ISO感度」を調整するのは、「F値」「シャッタースピード」での明るさの調整が難しい状況の時のみ。つまり、明るさ調整のために「ISO感度」を使用するのは「最終手段」ということです。

では、なぜ最終手段にする必要があるのか?
その答えは次に記載します。

ISO感度の注意点

ISO感度を上げすぎると写真にノイズが入り写真がざらつく原因になります。

ノイズが入ることによって悪目立ちする写真の代表例が「夜景」や「星空」といった「暗い場所」で撮影することになる場合です。
ノイズの色は、赤、青、黄、白と言ったように、黒い背景だと目立ってしまいます。
せっかくの美しい夜景が、設定の誤り一つでざらついた印象になるのはもったいないですよね・・・
そんなもったいない現象に陥らないためにも、「ISO感度」の使いどころは非常に重要なものになります。

この「ノイズが入る」という理由こそが、「ISO感度」の調整を「最終手段」とする理由になります。
ISO100が最もノイズが少なく、大きくするにつれてノイズが増します。

以下の比較画像をご覧ください。
ISO感度100の場合の解説画像
ISO100だと、ノイズはほぼありません。

ISO感度6400の解説画像
ISO6400になると、ノイズがやや目立ち始めます。

ISO感度25600の解説画像
ISO25600になると、かなりノイズが目立っていますね。

このように、ノイズがかかってしまうと写真の完成度を大きく損なう原因になるので、極力ISO感度の調整は行わないようにしましょう。
しかし、手ブレなどが多く、シャッターチャンスを逃す恐れがあるくらいならISO感度を上げて明るくすることでシャッタースピードを早くし、手振れ防止を防ぐことに専念した方がいいケースもあります。
その場その場に合わせて、うまく使い分けをしましょう。

ISO感度まとめ

■基本事項
・「ISO感度」とは最も簡単に写真の明るさを調整できる方法でカメラ上では「ISO100」のように表示される数値のこと

■ISO感度でできること
・「ISO感度」が小さければ小さいほど暗くなり、大きければ大きいほど明るくなる

■F値における注意点
・ISO感度を上げすぎると写真にノイズが入り写真がざらつく原因になる

【まとめ】F値・SS・ISO感度を駆使してカメラの上達を目指そう!

いかがでしたでしょうか?
本記事では、「F値」「ISO感度」「シャッタースピード」について解説してきました。
それぞれの設定項目によって、できることと注意点を解説しましたね。

まとめると以下の通りになります。

 できること  明るさとの関係性  注意点
F値 ・背景をぼかす
・全体をくっきり撮る
・小=明るい
・大=暗い
・大きくし過ぎると画質低下(回折現象)
SS ・夜景・星空撮影
・躍動感のある流し撮り
・小(早)=暗い
・大(遅)=明るい
・小さく(遅く)し過ぎると手ブレ
ISO ・写真を明るくする ・小=暗い
・大=明るい
・大きくし過ぎると写真にノイズ

各設定項目の長所・短所を知り適切な使い方ができるようになれば、カメラの技術は大きく上達することは間違いありません。
ぜひマニュアルモードでカメラを操作して、「F値」「ISO」「シャッタースピード」を極めましょう!

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